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切腹おっちゃん

ジムに通い始めて、もうすぐ3年です。この3年間で体型はそれほど進化していません・・・。2、3日いかないとすぐに振出しに戻る感じがします。体重は変わっていませんし、現状維持が成果の証だと思っておきます。

 

ジムに3年間も通うと自然と友達ができてきてきました。70代80代のおじいちゃんばかりですが(笑)。今日はそのお友達の一人を紹介しようと思います。

 

ジムでできたお友達の一人に、「切腹おっちゃん」と私が心の中であだ名をつけた方がいます。なぜ、切腹おっちゃんかというと、おなかに横一直線の手術痕があって、まるで切腹をしたみたいだからです。

「それ何の手術ですか?」と聞いたら、「胆管ガン」と返ってきました。胆管ガンって・・・相当大変な病気だと思うのですが、本人は痩せているわけでもなく、がっちりとした体型をしていて、ピンピンしています。切腹おっちゃんをみていると、なんだ、胆管ガンなんては大したことなさそうじゃん、と思わされます。

年齢はまだ60台かなあと思っていましたが、年を聞いたら80歳といわれて、こんな元気な80がいるのかと驚きました。

80歳は男の平均寿命を超えていますが、まだまだへばりそうもありません。

 

切腹おっちゃんの今の趣味は自分の棺桶をつくることだそうです(笑)立派な蓮の花と鳳凰を棺桶に彫っているらしい。もう数年彫っているが、まだ完成までに数年はかかるようです。どんな棺桶なのかすごく興味を惹かれます(笑)

 

ふつう、ひじから肩の間の筋肉に力こぶができますが、そのおっちゃんは彫り物を頑張りすぎて、手からひじの間にかなり大きな力こぶができています。どれだけ気合をいれて彫ってんの!!と突っ込みたくなります。おっちゃんは「生きるのも、死ぬのも、楽しく!それがわしの信条だ」そういっています。

おっちゃんの大作が彫られた棺桶の写真を見たいといったら、「そんなもの見せるものじゃない。わしが死んだら葬式にきて見たらいい。それでわしの鼻に菊の花を突っ込んでおくれ。そしたらお前さんが来たってわかるから、飛び起きてやる」といいます。

 

よくしゃべって、ふざけたことばかりして、お気楽な人だなあと一見思うのですが、話していると、歴史に造詣が深く、かなりたくさんの本を読んでいることがわかる。有名な作家はほとんど読んでいる様子です。

平安時代について尋ねるとスラスラでてきますし、○○読みました?と聞くと、読んだ、とかえってきます。呆けを演じていますが、話し込むと呆けは消えてしまいます。「大学受験の時は、受験勉強をせず、本ばかり読んでいた」、といっていたので、その年代で大学受験をしているだけでも、ただものではない気がしています。今度、何してた方ですか?と聞いてみようと思います。そうだ、ご飯にでもさそってみようかな!

 

ひとくくりに老人とまとめてしまいがちですが、一人ひとりを見ていくと、魅力的でおもしろい人はたくさんいるものです。ジムでは他にも、東京大学をでて、なんたら商事に勤めて、イランイラク戦争で爆弾が飛び交う中仕事をしていたって方もいます。めちゃくちゃ興味深いですよね。

長く生きているということは、それだけ体験が多いわけです。私は体験から学ぶことを非常に重視していますから、実際に世界を身をもって感じてみて何を思ったか、そういったところに強く興味を惹かれます。

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