「どんなに勉強しても点が上がらないし、上がる気もしないから、世界史を受験科目から外したいのですが、どう思いますか?」
そう相談されました。
とりあえず、現在の勉強方法を聞いてみると、成果の出ない勉強をしていました(これは当たり前で、だから点数が上がらない現実がある)。無駄な勉強は文字通り無駄なのです。無駄は無駄なりに多少の成果があるかと思いきや、成果はほぼ0に等しいことが多いです。これは高校の時に気づきました。
志望校を考えた時に、世界史を諦めるのは良くないと思ったので、勉強の仕方を変えるようにアドバイスをしました。
「2週間後に模試があるけど、このやり方でやれば2週間後の模試でも十分手応えを感じるはずだからやってみて」
その子はそのとおり勉強を進めて、2週間後の模試では20点上げました。
そして、「まだまだテストでは間違いはあるけど、解いている感覚がこれまでと全然違う。これならいけます」そう言ってくれました。今では世界史の勉強が楽しいそうです。ほんのちょっと前まで、世界史嫌だーとブーブー言っていたのにこの変わりよう。私は、勉強に苦しみを感じている子が多く、その苦しみを取ってあげたいと常々思っているので、このように苦しみが解消されたことはうれしいことです。
わたしは「もともとの基礎力によって差はあるけれど、センター試験なら1ヶ月あれば80%にもっていける」と生徒に言っています。実際にその子は2週間で20点あげたわけだから、あと2週間で20点あげれば、80%突破で一丁あがりです。いやあがりではないか。つぎは90%、100%までもっていってもらわないといけないです。
その子は勉強方法を変えて、成果がでるようになりましたが、実は私はだいぶ前から勉強の方向性については伝えていました。うんうん、なるほど、と聞いてくれていましたが、本当にわかっていたわけではなかったのです。秘伝の扉を用意したのに、そのときは、鍵を持っていなかったのです。
でも、私はこれを非難する全然ありません。仕方ないことです。「そのとき」が来てアドバイスを受け入れて実行してくれればいいです。それだけ、私たちは一般的な考え方や自分が正しいと思い込んでいるものから外れるものは受け入れられないのです。