私はおいしいものが好きです。この歳になってくるとそれほどテンションが上がるものは少なくて、美味しい料理をいただくことは私にとってわくわくする楽しみの一つです。
また、料理と私の仕事は似ているなと勝手に思っています。だから毎回学びになることがあるので、それもまたいいのです。
一番おいしい料理、というのはないと思います。しかし、「味の好みなんて人それぞれだよね」を言い訳にするのではなく、それでも極みを目指して、それぞれの料理人が、それぞれの信念に基づき、道を歩んでいく。そんな料理人から生み出された作品は本当においしいです。
教育も「教え方は合う合わないがあるよね」「相性があるよね」確かにそうかもしれません。でも、自分の信じる道を追求していくのです。周りから何言われても気にならなくなるくらいに、自分の考えを深化させていく。そして「こんなに変われるとは思ってもいなかった!」そうお客様に言っていただけるレベルの教育を目指していかなくてはなりません。一流の料理人に触れるとそう思わされます。
また圧倒的なパワーを感じます。理想を実現しようとする力がとてつもなく強い。自分なんて全然だめだ、とおいしいごはんを食べながら、いつもへこんでいます。
昨年、2回ほどお邪魔したお店です(東京西麻布の有名店)。
これは料理提供中の写真ですが、奥の厨房が全然ごちゃごちゃしていません。使ったら片づける、使ったら片づける。何かを開始したら、必ずきっちり終了処理を行います。
「どうせ後から使うからそのままにしておいたほうがいいじゃん」「いちいちしまうなんて手間だよ」そう考えてしまう私たちと全く違います。
強い強い力を感じます。美しく保つには力が必要です。力がないところはどんどんよどんで汚くなっていきます。ああ、自分が情けない。
料理が終わった直後の厨房です。食器が一つも置いてありません。
このお店のシェフは、スペインにある世界ナンバー1を5回獲得した「エル・ブリ」で働いていた経験があるそうです。しかも豊川出身。東京で東三河の人に会うことはほとんどないので親近感を覚えました。そして岡崎高校だったそうです。勉強もすごい。
まあこれだけの世界を創造できる人にとっては高校受験で愛知トップ校に合格するくらい余裕でしょうね。でも3年間で100日くらいしか高校には通ってなかったそうです。学校不適合者だったんでしょうが、それは、なんとなくわかります 笑。
東京で最も予約が取りにくいお店のうちの一つが予約できた、とまた連絡をもらえたので、あくまでも勉強のために、行ってこようと思います。