昔、一緒に働いている先生から
「生徒からこんなコメントをもらったのですが、どう返事したらいいと思いますか?」
と相談を受けました。
私はそのコメントを見て、「たぶんその子は今、◯◯◯な気持ちでいるから、私なら◻︎◻︎◻︎とコメントを返します。」と答えたのです。
「なるほど。確かにそれがよさそうですね。それもらいます。」
とその場は終わったのですが、問題はそのあとです。それから生徒から同じようなコメントをもらったときに、全部私がアドバイスしたコメントを返していたのです。
私はそういった言われたことを実行する素直な人は大好きです。でもコミュニケーションというのはこう言われたから、こう返すという性質のものではありませんので、慌ててその旨を伝えました。その発言の背景を推測して気持ちを慮って言葉を投げかけることで、思いが伝わっていくのだと思います。
絶対に契約を勝ち取る応酬話法の営業本など、人の心理をについて書かれた本ががあまり使えないのも、相手の気持ちと離れてしまったところにあるからかもしれません。エッセンスは参考になるので読むぶんにはおもしろいですが。