子は褒めて伸ばせ、というのはよく言われることです。
その通りかもしれませんが、私はこの言葉があんまりしっくりきません。褒めることで親の思い通りの子にする、というニュアンスがそこにあるように勝手に思ってしまうからかもしれません。
褒めることの重要性は親ならば誰もが認識しており、意識して褒め言葉を使っていらっしゃる方が多いと思います。世のお母さん、お父さんはどの点をみて褒め言葉を与えているのでしょうか。少し気になります。
今自分自身を振り返ってみましたが、私の場合は「よい行動」に対して、褒め言葉(やっぱり私には褒め言葉というのは違う気がします。承認という言葉の方がしっくりくる)を投げかけているように思います。
たとえば、「これまであまり勉強してこなかった子が勉強に向かうようになった」とか「積極的に質問するようになった」とかこういった変化は私はうれしく思いますので、その変化はしっかりこちらが気づいてあげて、認めてあげたいと思っています。
しかし、結果に関してはあまり意識していません。もちろんテストでいい順位が取れたのなら、それはうれしいですし、大いに認めてあげたいとは思っていますが、褒める認める対象がテストの点数や順位などの結果にばかり向いてしまったら、それは私の感覚と少しずれる気がします。
80点とったら、すごいね!って大喜びで褒めて、50点だったら、あ、そうなんだ、という対応ばかりをとったら子供はどう思うのでしょうか。私が子供だったら「結局この人が大切なのは点数なんだ。」と思ってしまうでしょう。これから褒められたとしても「この人は頑張った自分を褒めているのではなくて、点数が取れたこと自体を喜んでいるんだ」と感じるようになってしまうと思います。こういう認識を子供がしてしまうと、褒める効果はほとんどなくなってしまいます。
それに、結果はすべてを自分自身がコントロールできるものではありません。100点取ろうと頑張って勉強しても必ず100点が取れるわけではないのがテストです。だからテストの結果だけが評価になってしまったら、子供たちはやりきれない思いを抱えるでしょう。
私は、最終的には結果が大事、結果が出なくては意味がないと考えています。しかし、その結果がでるようにするには、まずは行動が変わらなければなりません。その子自身が変わらなくてはなりません。
当塾の生徒も少しずつ勉強への姿勢が変わり始めている子がいます。本当に頑張ってます。これまで頑張っていた子もこれまで以上に頑張っています。私は毎日感謝の気持ちでいっぱいです。ぜひ、お母さん、お父さんにもお子さんに小さな変化を見つけられたら、認めてあげて、頑張ってるね、と声をかけてあげてください。それが大きな力になります。
子供たちはテストがよかったことを褒めてもらうより、頑張っている姿を認めてくれて、応援してくれるほうが嬉しく感じたりするものですよ。