どうしてもできない
そう思うことがあると思います。
どうしてもできないのであれば、それは仕方ないです。諦めるしかないです。だって「どうしても」できないのだから、どうしようもありません。
諦めようとするときによく大人は、「努力が足りない」「練習をもっとしろ」「逃げたら負けだ」と気合をいれて、その場にとどまらせようとします。その圧力たるやすさまじく、ほとんどの子はその圧力に屈することになりますが、「どうしてもできない」ことにコストを投下するのは無駄なので、「こうやって大人は子供をコントロールしようとするのだな」と思って気にせず自分の気持ちを貫いた方がいいです。
ただ、ここで考えなければならないのは、本当にどうしてもできないことだろうか、です。
「どうしても」はとても強い言葉ですが、私を含めて多くの人が安易に使っている気がします。でも簡単に「どうしてもできない」と判断していたら、全然成長はできなくなります。
私たちは人間である以上、それぞれの個性がある以上、知的、肉体的にどうしてもできない領域はでてきます。しかし、誰にも本当にどうしてもできないことなのか、自分自身でさえ、知りえません。
私はおそらく、今100mを走ったら、18秒台だと思います。でも中学の時は確か13秒台で走っていたので、これからいい先生についてトレーニングすればまた13秒台で走れるようになるかもしれません。
でも12秒台はかなり厳しいイメージがあって、11秒台は不可能感があります。やってみないとわからないのですが、でもどこかで自分の能力の限界を迎えることは間違いありません。
・どこかに必ず自分の限界はある
・ただし、どこに自分の限界があるのか明確にわからない
私は「努力すれば何でもできるようになる」というのはだめだと思っていますし、「自分にはできない」と簡単にさじを投げるのも成長を阻害するだめな行為だと思います。結局ここも明確な答えはなくて、それぞれのセンスが問われる領域であり、差を生む領域であると考えています。
どうしてもできない、と思ったときに、2つ検討してほしいことがあります。
1つ目は、もう一度じっくり自分を観察すること、です。
本当に成長の余地はないのか、これまで努力してきて成長してきたところはないのか、正しいフォーム、正しいやり方、適切な努力量をしてきたか、自分のパッション、やる気、そういったものをじっくり考えてみます。
当たり前中の当たり前ですが、やるべきことをやらなかったらスキルは身に付きませんので、じっくり丁寧に検討してみてください。
2つ目は、自分の進みたい道の先にいて、かつ、尊敬できる人に聞いてみること、です。
「どうしてもできない」という気持ちが一番出やすいのは、努力をしているのにその成果を感じられない時だと思います。練習することによって、比較的すぐに身に付きやすいスキルもあれば、身につくのにかなりの時間や努力を要するスキルがあります。
他の人との差を生むのは時間、努力を要するスキルで、こちらの獲得を目指さなくてはなりません。ずっと暗闇の中でさまようのは苦しいので、先達に聞いてみるのがいいでしょう。自分は可能性があるのか、ないのか、練習の方法が正しいのか、間違っているのか、聞いていましょう。
もちろん、アドバイスしてくれる人も本当のところはわからないので、自分の思索とアドバイスをもとにして、最終的な決断は自分でします。
こうすることで、自分の決断に納得することができます。自分のした決断が、正しいか間違っているのかなんてわからない。でも納得はできます。