「価値があるかどうか」これは私が大切にしている考えの一つです。
サービス業としてやっている以上、こちらが提供するサービスにまったく価値がないならば、意味がありません。価値提供ができているかというのは常に考えなければいけないことです。
塾でいったら、私は「価値がある=成績が上がる」と第一義的に定義しています。
ですから、成績が上がっているということはある程度の価値提供ができているということなので、少しは安心しているのですが、満足のいく順位を取らせてあげられない場合、価値が提供できていないということなので、これはいけない。
もし、保護者様に「成績が上がっていないが、塾としての意味はあるのか」と尋ねられたら、「申し訳ありません。意味はありません」と答えるしかありません。意味があるのか、という質問がでるということは、意味がないと判断しているということですから、保護者様が意味がないと判断し、現実に結果が出ていない以上、言い訳もありません。こうなれば出処進退を伺うがごとく、退塾の選択肢を提示して、保護者様の判断に委ねるほかありません。
いまいち成果の出ていない生徒の保護者様には、面談の際に「塾の価値ありますか?」と伺うようにしています。
そのときに、
「前の塾は嫌な顔してたけど、今は楽しそうに通っているから、ここに入ってよかったと思っています。」
「10番上がったのだから、これから少しずつ上がっていくと思います。」
「塾で勉強することが楽しいといっています。」
「帰りに勉強の話をしてくれるようになりました。やっと勉強に興味をもったみたいです」
「テストの結果に喜んだり、悔しがったりするようになりました。」
「家でもすごく勉強するようになりました。」
などと、成績を上げる以外の塾の価値を見出してくださっている場合は少しほっとします。何かしらの価値を提供できているということだから。
もちろん、塾としてはよかったで終わるのではなく、成績上昇にこだわらなければいけないし、成績上昇以外の価値の押し売りはしたくないと思っています。保護者様が成績上昇以外の価値を見出してくださることはありがたく受け止め、しかし第一義的な価値は成績上昇ということは忘れてはいけないことです。